|
|
「リナ、本当にこれに出るのか・・・・・？」
ガウリイがどこか嫌そうにあたしに囁いた。
「あったり前でしょ？いまさら何いってんのよ！
さあ、早く行くわよ！」
あたし達が何に出るのかって？それはね・・・・
「えーっと。これより第１０回”夏も終わりだ！最後のバカンス争奪戦”を行います！」
そう、これなの♪
あたし達は偶然立ち寄ったこの町でこんな大会を発見してしまった。
何でこんなのに出るのかって？
普通だったらめんどくさいからやらないんだけど、なんてったって賞品がね・・・・
ここの超高級ホテルの宿泊券と食べ放題の券なのよ！
この町に一回泊まりたかったのよね。
だってここの名物は新鮮な魚介類！
ぜーーーったい優勝して見せるわ！！！
ってガウリイには言ってるんだけど・・・・・・
実はこの大会カップル限定で、この大会で優勝したカップルはずーーっと一緒にいられるって言うジンクスもある。
まあただのジンクスだし、あんまり信じてないけど、一応・・・ね。
それにこの機会に、ガウリイにあたしの女らしさ(？)を見せ付けてやるわ！！！
なんてったって水着だもんね！！
見てなさいよ、ガウリイ！
「それでは、今回の競技を発表します！」
わあああーーー！
「今回の競技は・・・・・障害物競走です！！！
２人３脚をしながら走るの以外は普通と一緒なので簡単です。
距離は４００m、障害物は何が出るか私にもわかりません♪
それではがんばってください♪」
よかったーーーー、障害物競走かぁ。簡単じゃない♪優勝はいただきよ♪
「ガウリイ、あんたは右足から出してね。あたしは左からだから。」
「おう、わかってるぞ♪」
・・・・ほんとにわかってるのだろうか・・
パアーーーーン
そんなことを考えているうちにいつのまにか始まっていた。
他のペアは悪戦苦闘している。
ふふん、やっぱりあたしとガウリイの相性は抜群ね♪って、さっそく障害物発見！！！！
「まず最初は”なわとび”です。
２人で飛びながら走ってください。」(←できるのか？？ってつっこみはやめてね♪)
こんなの楽勝よ！自慢じゃないけど、あたし昔は”なわとびのリナちゃん”って呼ばれてたんだから♪
ぴょんぴょん♪
って、簡単じゃん！！！
―――――――こんな感じでどんどん進んでいった。まあ、なかにはラムネの早飲みとかあったけど・・・・
思ってたより全然簡単だったから、あたし達が優勝かも！？そう思ってたら―――――
「ガウリイ、このままだったらあたし達優勝かもね♪」
「おう。リナうれしそうだな。」
だって食べ放題だもん♪
でも、もうひとつの作戦は失敗したわね。食べ放題のときにでもしてみるか・・・
そんなこんなでゴール目前・・・・で事件が起こった。
「リナ、もうすぐゴールだぞ！
」
「まじ？やった、優勝だーーーーー！」
あたしは優勝のうれしさでそんなことに気付かなかった。
「ちょっ、リナとまれ！！！その先にはナメクジが・・・・！」
ナメクジの大群の中につっこむなんて・・・・・
「へっ？(ちょっと沈黙)・・・・・・きゃあーーー！
ど、どらぐすれいぶーー！！！」
あたしの放ったドラグスレイブで会場は半壊。
おまけに町にも被害があった。
もちろん大会は中止。優勝も取り消し・・・・・・
「あーーーあ、食べ放題が・・・・」
「リナが悪いんだろう。食べ放題くらいがまんしろ。」
あれ、ガウリイ君、なんだかご機嫌斜め？どうしたんだろ？
「だってさあ、ここのご飯が食べたかったのに・・・・」
作戦も失敗だし・・・・・
「そんなに食べたかったのか？じゃあまた来ればいいいだろう？
それに俺は言いたいことが・・・・」
「そっかあ、ガウリイ頭いいじゃない！
また食べればいいか。」
なんかガウリイ言いかけてたけど、気にしない！
今度はこんな大会関係なしで２人で行こう。
そのときはあたしの魅力を見せ付けてやる！
見てなさいよ、ガウリイ！
| |