「まったくって。お前も変わったな〜?」
「そうか?」
そんな一言に一々此方はうんざりするが・・・あくまで彼は楽しそうだった。
何処がどう変わったんだか・・・???
ガウリイが・・・この旅の連れが昔の知り合い・・とやらに会うたびにこんな話になる。
いい加減のリナはこの一年。
最初のうちこそなんとも思いやしなかったがこんな情況にうんざりしてきた。
「・・・アタシ・・・」
終電も近いし先に宿に帰る・・アンタは梯子でもして飲み明かしたら・・?
嫌味とも疲れとも分からない言葉が口から漏れそうになったその刹那・・。
ガタリ!!!!
ガウリイが昔の仲間・・とやらのところに行ったため空席となっていた
隣の椅子が不意に音を立てた事にリナは気がつき・・・。
「・・・ナンパなら機嫌も悪いしおことわり・・・・・」
無機質にその言葉を放とうと其方に視線を向けたその刹那!!!
「よう!!!」
ニヤリ・・と笑いながらその人物は席を立ちかけたままのリナを見上げ、不敵に笑った。
不意に強張るリナの顔・・・。
そして・・『お嬢ちゃんの不貞腐れ』とでも思って此方を相手にもしていなかったガウリイの表情・・・というより気配が険しくなる。
「おい・・・」
ガウリイが今まで腰掛けていた席から立ち上がり・・・。
その人物に声をかけようとした・・その刹那だった!!
「・・だあああああああああああああああああああ!!このド阿呆〜〜〜〜〜〜!!
妻帯者がこんな時間に出歩いてるんじゃないわよおおおおおおおおお!!!!それに!
あらぬ誤解を招くよ〜〜な登場すんあああああああ!!!!!」
リナのトレイか『彼』・・の頭に見事なまでにめり込んだ・・・。
はぁはぁと肩で息をするリナに・・・。
席を立ったまま行き場の無い視線を周囲にさ迷わせるガウリイ。
そして・・・。
「いででででで・・・それが昔の仲間に言う台詞かよ・・・リナ・・?」
彼は頭を擦りながらリナに苦笑を浮かべた。
「煩い!ミリィを泣かしたら殺すって言ったはずよ?ケイン!!?」
ビシっと男・・ケインを指差しながらリナは言う。
「な・・・なあ・・・リナ・・・?」
事の次第が読み取れないガウリイがツンツンっとリナのデニムの上着を引っ張るが。
「アンタは黙ってて!!」
と、冷たく突き放され・・大理石の床にのの字を書くようにいじけてしまう。
「・・・・本当に変わったな・・・」
ガウリイの仲間は呆れながらその場から逃げるように去っていく。
「とにかく・・アンタなんでココに居るのよ〜?」
「今な・・・・ミリィが今買い物中なんだ。で、適当に時間つぶし・・・馬鹿レイルがこの街に配属になったらしくってな。それに会いに行って『やった』ついでだ」
「そ。まあ・・・アメリアとゼルも放っておけばデートから戻ってくると思うわ。
ココで待ち合わせなのよ。まあ・・アタシはさっさと帰りたいんだけど・・・・」
チラっと嫌味ったらしく床にのの字を書いていぢけているガウリイを指差しながらリナは文句を言う。
やっとそんな形でも相手にして貰った事が救いであったのだろう・・・。
「りなぁ・・其方・・ど〜ゆ〜お知り合いだ・・・・???」
半ば涙声でそう聞いてくる。
まあ・・・『妻帯者』の言葉が無かったら今ごろケインの運命がどうなっていたかは。
まあ、考えない方が幸せであろう・・・から無視。
「昔の仲間よ・・・ま、アンタと会う直前・・・解散したけどね・・」
本当に不慮の事故の解散・・だった・・・・。
「じゃ・・『あの時』のあの現場に・・コイツも居たのか・・?」
「ま〜〜ね。元々ターゲットはアンタの兄貴だったんだし・・・」
その言葉にガウリイのカオも少し引き締まり。
「なあ・・俺と会う直前・・・。お前たちの間に何があったんだ・・・・??」
少し考えたようにそうガウリイが質問してくる・・・・。
「・・そね、ケイン。コイツ・・『ナイトメア』の弟。転がってたの、アタシが拾ったのよ・・・あの時の事・・」
「・・・拾ったって・・ま〜・・。今更だ。話してもいいんじゃねえか?」
いいながらケインは手持ちのタバコに火をつける。
「ミリィの前では・・・・」
「吸ってるわけね〜〜だろ・・・???」
半ば呆れをふくんだ声でケインは苦笑した。
そして・・・これは今から4年程前のこと・・・である・・・・。


ズシャ・・・・・・・・。
いやな音をたてて最後の一人が血を吐いて倒れた。
「少しやりすぎだったんじゃないか・・・?」
ゼルの抗議を含んだ声が辛うじて沈黙を破る。
「い〜んですよ。こんな連中、町の美観を損ねるだけですから・・」
アメリアはずらっと倒れ伏したこの町のならず者たち・・・・。
それらのうめき声を聞きながらも平然と答えた。
「骨・・折っちゃいないでしょうねえ〜〜?ケイン・・」
ズシャ・・・・・。
父親のように強いものではないが・・ややライトなタールを含んだタバコにライター
で火をつけリナは尋ねる。
「ンな厄介なこと・・するわけね〜だろ・・・第一・・・」
ケインがそう言ってタバコにリナから貰い火しながら火をつけたその刹那・・・。
ファンファンファンファンファンファンファン・・・・・・・・・・・!!!
まるで示し合わせたかのようにサイレンが鳴り響いた。
「馬鹿レイルがドやかましい・・・」
何処か遠い目をしながらケインはくわえタバコをしながら女性のようにサラサラとした
濃い茶色の前髪を掻き揚げた。
「ま・・けーじさんにもけーじさんでお仕事がある訳だし・・・」
普通のチンピラや組織同士の対決ならばリナ達は間違いなく、この場から逃げ出さなければならない。
しかし・・・彼らにはれっきとした肩書きがある。
俗に言う『賞金稼ぎ』と言う連中である・・・。
最も・・それもあまり『ガラ』が良いとは言えるわけが無いのだが。
『生かさず殺さず』の賞金首のこんな連中でも。
普通は『生け捕り』が相場と決まっているのにこの始末である。
まるで悪態をつくかのように彼らはその場に座り込んでパトカーが到着するのを待った。・・・落ちたもんね・・・・。
苦笑しながらリナは遠巻きに聞こえるサイレン音に耳を澄ます。
こんな姿・・・今ごろ都会でエリート街道を進んでるであろう・・姉には見せられた ものではない。
ふう・・・と・・。
昔は大嫌いだったタバコを吐き出し、リナは何処か遠い目をした。

「ケイン!!何やってるの!それに・・・リナまで・・・・!!!」
その声はリナ、そしてケインの最も聞きたくないものだった。
「・・・ミリィ!てめぇかよ!レイルのアホンダラにチクったのは!他のポリ公なら まだしも・・・。アイツの説教は俺は苦手なんだよ!!」
乱暴にタバコを吐き出し、足でグチャグチャっと揉み解すケイン。
「・・・そんなこと言ったて・・・。妹のキャナルも悲しんでるわ!
幼馴染の妹分の・・リナまで巻き込んで・・・・」
尚も哀しそうに言ってくるミリィにリナは目を合わせることも出来なかった。
「・・・ノクターン家のお嬢様のお前に何がわかる・・・?ま・・・。
子供の頃はそんなこと意識すらしなかったがな・・・」
何時に無く・・怒りと・・そして悲しみを含んだ口調でケインがミリィに反論する。
そして・・リナ、ゼル、アメリアと言った仲間を無造作に見遣った。
その視線を仲間である彼らはしっかりと直視した。
「・・・そ・・・それは・・・」
彼らの家系はもともとは中世、権力をもった騎士団の一族だった。
が・・・・。
その財力、権力は時の欧州中の権力をもつ存在・・・。
統一国家の国王、群雄割拠地域の諸侯・・・そしてローマ・・・・。
それらの存在の格好の狙う『餌食』となった。
あるものは異端裁判にかけられて・・・。
またあるものはスイス傭兵やドイツ傭兵によって無残に惨殺され・・・。
家は断絶、あるいは財産没収の憂き目にあった。
かすかなレジスタンス・・そして闇に隠された財産・・・・。
それによって21世紀後半の今にも闇社会に生きる事を選んだ彼ら・・・。
無論、それを潰して権力、残された財力を我が物にしよう・・・・。
そんなことを考える連中は国家・・そして一財閥一家に至るまで存在している。
自主防衛・・・・・。
彼らに残された手段は権力を掌中に収めてそんな連中と戦うか・・・。
あるいは零落し・・・そんなならず者の手先を相手に戦うか。
どちらにせよ己の『力量』次第。
いわばケイン、リナ、ゼル、アメリアはそんな家系の零落組なのであった。
勝ち組みにせよ、零落組みにせよ・・大きな権力にねらわれて居る事は違いない。
世間は滅ぼされた騎士集団の裏一族・・・。
リナ達を『堕天使』と呼んでいるのであった。
ノクターン家はそんな堕天使の守護者たる財閥である。
が・・・・・。
そのミリィの純真さがケインには・・そしてリナには何よりも辛いらしかった。
リナとアメリアの姉、ルナとグレイシアはいわば勝ち組み・・・。
ケインの妹のキャナルはまだ幼すぎて何も理解できていないのが現状なのだが。
既にこの四人の悪名は世界各国に知れ渡っていた。
姉は・・何も言わないが・・・。
どう思っているのだろう・・???
そう考えるとリナの心は痛んでならなかった。
「・・・で・・・何の用事なんだ・・?レイル・・・?」
ミリィとケインの気まずい雰囲気を打開するためだろう。
既に何も喋る気力を失ったリナのかわりにゼルが知り合いの警官に質問する。
現場を検証し、残されたアメリアに賞金を渡していたレイルだが・・・。
ふうっと大げさに肩を広げ・・・・。
「まったく・・君たちの悪名も。これ極まりだ・・。知ってか知らずか・・・。
よりにもよって『ナイトメア』の手先をこてんぱにしてしまったらしいからねえ・・」
ふうっと溜息を漏らしながらそう言うレイル。
「・・・ナイトメア・・ですって・・・??」
不意にリナの全身に戦慄にも似た感覚が走った。
「どうして『ナイトメア』の・・手先が・・・『堕天使』・・・・
私たちを狙っているというのよ・・・???」
辛うじてリナの搾り出した言葉。
「おや?お嬢さん。自分たちの立場がわかっていないと言う性質の悪い冗談は無しにして欲しいね・・第一・・君たちを狙っている一財閥は・・国家予算に勝るとも劣らない大物企業ばかりだ・・それに・・ナイトメアが加担しおていても・・可笑しくはないだろ?」
ククク・・・と笑みを漏らしながらレイルはそう答えた。
「リナさん・・・・・・」
さしものアメリアもこんなリナの様子を見るのははじめてだった。
「世界最強の大企業・・その経済力はこの星全体を動かしている・・・。そう
言っても過言ではない・・そして。そこの秘書こそ・・ルナ・インバース・・・」
この事態にさしものゼルも困惑したのだろう。
汗を額に浮かべながらそう呟いた。
ルナが何かを掴んでいるなら彼らに必ず報告はしてくれるはず。
だが・・ルナは何も言っては来ない。
リナがナイトメアを敵・・と今まで気付かなかったことはその事が大多数のウェイトを占めていた。
「とにかく・・どうする?ナイトメアに攻め込むか・・それとも・・」
大人しく滅ぼされるのを待つか・・・。
そう嘯きながらレイルはなにやら一枚の紙を落としながら再びその場を去っていくのだった。
「・・・・ケイン・・・・」
その紙を直視し・・・ケインは唇を噛締めた。
「・・・殺す・・・・・・・・・・・・」
恐ろしく・・低い声を出しながら・・・・。


「之は・・どう言う事なのですか?」
有能秘書、ルナ・・ここでは『ムーン』・・・。
その名で通っている彼女はこの闇企業の御曹司・・『ナイトメア』の不敵な笑みを 眺めながらそう尋ねる。
「・・・これで『奴ら』は必ず現れる。それだけの事だ・・」
気を失っているのだろうか・・・・?
地下牢に横たえられたこの少女はピクリとも動かない・・・。
別れたときはほんの赤ん坊であったが・・ルナには確かにこの少女は見覚えはあった。
忘れるわけが無い。
隣の家の悪がき・・リナの悪さの相棒・・ノクターン家のミリィの片思いの相手。
ケイン・ブルーリバーの妹のキャナルだった。
既に彼女は混沌と眠っていた。
頬の赤さから生きている事はなんとかこの位置で触れる事無く確認できる。
金色の髪の無慈悲の若きこの社長・・・。
潜り込み、的確なこのナイトメアの恐るべき実態を知るべく今までは情報収集に専念していたが・・・。
守にのみ走って攻に出ようとしなかった事が失敗だった・・・。
唇を噛締めるほどルナはこの事態を悔やんだ。
ココまで来てしまったら・・・。
いかに『エリート』と呼ばれた自分やグレイシアでも手も足も出せない。
「完全なる殲滅・・そして復讐・・・なあ・・ムーンよ・・面白いとは思わないか・・?」
ククク・・・・。
不敵にそう微笑みながらナイトメアは黒い手袋を脱ぎ捨てる。
ケロイド・・・・そうとしか表現できない恐ろしい痣がその甲にははっきりと
刻み込まれていた。
「・・・それは・・・???」
「我ら一族は・・インバース家・・そしてブルーリバー家・・。この今は二つの家系に分裂したが・・『ルビーアイ』・・その二つ名を冠した家の者に傷つけられた傷を・・・。 既に代々・・千年も背負い続けている・・。それだけだ・・・」
面白くて仕方が無い。
そんなぞっとする微笑であった・・・・・。


「なあ・・・ルナ・・・」
未だに震えた身体を引きずっていたルナにふっと声をかけてくるものがある。
「・・・ガウリイさん・・・」
ふっと溜息をつきながらナイトメアのこの弟・・・。
有能な兄と比べてすっかりやさぐれた・・・。
無能なチンピラ呼ばわりされているこの男を見遣る。
今日も喧嘩でもしたのだろうか?
体の至るところに傷ついた跡が見受けられた。
が・・しかし・・・。
今までそんな生活をしているガウリイだから気にしなかったのかもしれない。
ルナは彼の手に・・先ほどナイトメアにあったものとまったく同じ痣を発見した。
「面白くね〜〜な・・・別働隊なんざ・・賞金稼ぎ連中にぶち倒されたらしい。
悪いけど・・・薬箱の場所教えてもらえないか?途中でサツとぶつかって・・。
このザマだ。辛うじて逃げてきたんだ」
薄く笑いながらガウリイは少々自嘲っぽく言った。
「なら・・棚の上です・・」
普段なら軽蔑して止まないこの男にここまで丁寧に教えたりはしない。
だが・・今は・・彼ならば何とかできるかもしでない。
そんな直感ににもにた思いがルナの脳裏に渦巻いているのだった。
「どうも。で、だ。その賞金稼ぎ連中・・かの『悪名名高い』・・・・。
『ソードブレーカー』ときたモンだから性質が悪い・・・・。
女首領が『ルビーアイ』・・その補佐の男が『ヴォルフィード』とか呼ばれてるらしいな・・・。一回会って勝負くらいしたいモンだ・・」
ぶちぶちと文句を言いながら自分で傷の手当てを始めるガウリイ。
・・・ルビーアイ・・・ヴォルフィード・・?????
この賞金稼ぎ『ソードブレーカー』のことはルナとて何度か風の噂で聞いていた。
だが・・人員構成・・ましてや首領やメンバーの名前など・・・・。
興味が無かったから知りもしなかった・・・・・・。
間違い無い・・彼らは・・リナ・・そしてケインに違いは無い・・・。
ギュっと拳をルナは握りしめて・・・・。
「ガウリイさん・・・お願いがあります・・・」
「・・・・報酬は・・???」
アッサリと切り返してくるものだ・・・。
予感めいたものはある。こう言う事に躊躇いは無い。
「気に入るかどうか分からないけど。私の命より大切な・・妹よ・・・・」
そう。それが・・最大の予感だった・・・。


「キャナルを助けに行く・・・」
「分かってる。私たちも手伝うわよ・・・・・ケイン」
ふっと溜息をつきながらリナはケインの隣に並ぶミリィからブーケを受け取った。
「生きて帰れるか分からない・・けど・・・」
ミリィと永遠を誓うケインをもう自分たちのような生活に引きずりこむ事は許されないだろう。
・・・まるで・・失恋したみたいな心境・・それにリナは初めて気付いた。
「ねえ、ケイン。解散は別個。事が終わったら・・・・」
それぞれ別の道を歩む・・・。
それがリナの決意・・であった・・・・・。
「異議無いです!」「俺もだ・・・」
アメリアとゼルもすぐにそれに続けてそう言ったのだった・・・。


「何者かが・・・ナイトメアの犯罪を完全に警察に届け出て・・。
その悪事や闇取引が明らかになったのはアタシが乗り込んだときだったわ。
恐らく ハッキングをしたのね。アタシは・・・・」
その時だった。
リナがガウリイに出会ったのは・・・・・。 ズダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!!!!
最後の抵抗を試みるナイトメアの残党の放った銃弾がリナの腕をマトモに
傷つけた!!!
「つ・・・・・!!!」 這いずり・・辛うじて自分の獲物を取り戻すが・・既に第二撃は敵の銃口から放たれていた!!!
「駄目!!!???」
そう思い、リナが目を閉じたその刹那だった!!!!!
ガイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!
けたたましい音とともに全ての銃弾が弾き飛ばされたのは!!!!
「何だ・・お嬢ちゃんか・・・・」
チっと舌打ちしながらその男はルナの言った『気に入るかどうか分からない』の言葉を噛締め・・内心『騙された・・』そんな思いを抱いた。が・・・・。
次の瞬間・・そんな感情も一瞬にして消し飛ぶ羽目になる!!
ツ・・・・・・!!!!!!!!
油断した事もあるが・・目にもとまらぬ速さで少女が自分の頬にナイフを走らせたのだった!
痛み・・そして血の感覚がとても鮮明に感じ取れる。
「・・・アンタ!!ナイトメアの仲間ね・・・・???」
ガウリイは苦笑した。彼女こそ・・『ルビーアイ』に違いない・・・。
そして・・自分の今の服装は・・彼女が嫌悪する賞金首のそれに他ならなかった。
「いいや。俺は・・単なる迷子さよ・・。実際、俺、ここではナイトメアの弟とは言え、指名手配はされてないし・・」
錆付いていた笑顔が蘇る。
まじまじとガウリイを見るリナ・・。視線がくすぐったい・・・。
「・・しゃ〜ない・・・拾ってやるか!!行くわよ!あんた!!!!」
これは使える・・・それがリナの第一のガウリイに対する感想だった。
何てことは無い。10年程前、雑誌で見た『天才少年ハッカー』を思い出したからだった。そして・・それが二人の出会いであった・・・。


「俺は・・お前がそのヒトと会った頃かな・・?ナイトメアと戦って・・勝ったよ・・。だから今はミリィと二人で居るさ」
ニヤリと笑いながらケインはそう答えた。
「あ、ゼルとアメリアよ!ミリィも居るじゃない!」
ケインの話も聞き終わり、リナは嬉しそうに其方に手を振った。
「なあ〜〜〜リナア〜〜〜!相手してくれ〜〜〜!寂しいぞおお!!ルナがリナを
俺にくれるっていったのにいいいい!こんなの有りかよおおお〜〜〜〜!!!」
すっかり「変わり果てた」ガウリイの抗議は完全無視。
カッコウつけて昔の仲間の前でお嬢ちゃん扱いしてくれた仕返しである。
かくして・・・。
「りなあああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(涙)」
ガウリイの抗議は彼がこの場に打ち解けるまで暫く続いたのであった・・・。

















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